アーセナルのベンチに日本人スタッフ!?チームを陰で支える山本孝浩氏とは

コラム

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アーセナルを支える日本人トレーナー山本孝浩氏

アーセナルのベンチを見るとコーチングスタッフの後ろに日本人スタッフがいるのをご存知だろうか?
今回はアーセナルを陰で支える日本人トレーナーにフォーカスを当ててみる。

世界で活躍する日本人トレーナーのパイオニア、山本孝浩氏

山本孝浩氏。
20年以上、プレミアリーグをはじめ、ヨーロッパのサッカーチームで選手のサポートをしてきた名トレーナーだ。
過去にはあの中田英寿のパーソナルトレーナーを務めておりローマやパルマ、ボローニャ、フィオレンティーナ、ボルトンなどの中田英寿が所属したチームにそのまま所属しサポートしていた経験がある。
その後はウェストハム、さらにはイタリア、イングランド、ウェールズ代表、そして現在はアーセナルでトレーナーとして選手のサポートをしている。

自身の怪我からトレーナーの世界へ

山本孝浩氏は学生時代、野球で甲子園を目指していた。しかし、高校2年の時に怪我により現役を引退。
そこから自身の怪我に向き合いながらも治療家としての道を志すことになった。
その後、花田学園・日本鍼灸理療専門学校という東洋医療系の専門学校を卒業し、日本体育協会公認アスレティックトレーナー、鍼灸あん摩マッサージ指圧師という資格を取得しプロトレーナーになった。

湘南ベルマーレでのアシスタントから中田英寿のトレーナーへ。そして世界へ。

山本孝浩氏は学生時代にアルバイトをしていたスポーツマッサージをしていた時の師匠が湘南ベルマーレでトレーナーをしていたことから、専門学校卒業後、湘南ベルマーレのアシスタントトレーナーになるきっかけを掴む。
そこで、当時、湘南ベルマーレに所属していた中田英寿とご縁を持つようになった。

中田英寿がASローマへ移籍するタイミングで、中田英寿に呼ばれる形で山本孝浩氏もローマへ同行することになった。
中田が引退する2006年まで二人でイタリアやイングランドのチームを渡り歩く。
中田の引退後は日本へ帰国することも考えたようだが、幸い以前所属していたフィオレンティーナからオファーを受け、イタリアへ戻ることへ。その後、アーセナルよりオファーを受けイングランドで活動することになった。

アーセナルで活躍する山本孝浩氏

山本孝浩氏は2015年からアーセナルで活動をしている。アーセン・ヴェンゲル元監督時代からチームを支えるトレーナーだ。
山本氏曰く「筋肉が柔らかい選手、柔軟性が高い選手は怪我が少ない」という。山本氏はセラピストとして選手が怪我をしない体づくりのためにストレッチや試合後のケア・コンディショニングを行う。
主に軟組織の施術や動作の活性化、またコアスタビリティを高めるためのエクササイズも施しているとのこと。
ストレッチ、エクササイズ、鍼治療、サッカーには関連付けられない独自で革新的な手法が特徴だ。

ここからシーズンは最重要な最終盤戦。
怪我で離脱中のガブリエル・ジェズス、冨安健洋、ガブリエル・マルティネッリ。代表戦での怪我が心配されるカブリエル・マガリャインス、ブカヨ・サカと、フィットネスが心配な選手は多い。
過密日程により、ここから更に怪我人が出る可能性もある。
そのような状況の中で、セラピストを担う山本孝浩氏の活躍は重要になる。

プレミアリーグとチャンピオンズリーグで争うアーセナルにとって、優勝へのキーマンは日本人トレーナーの存在かもしれない。